今回も前回に引き続き、顧客ポートフォリオ理論の概要についてご説明いたします。
前回、「顧客ポートフォリオ・マネジメント理論」では顧客を以下の5つの属性に分ける顧客種別の分類をするところまでご説明しました
(1).初回客(新規客)
(2).よちよち客(購入2回目)
(3).コツコツ客(リピート客)
(4).流行客(リピート客)
(5).優良客(自社ファン)
この5つのパターンを「現役客」と「離脱客」に分けて、全部で10の顧客層に分類します。ここで、重要になるのが「在籍期間」と「離脱期間」になります。
・「在籍期間」とは・・・
新規客となった日から最後に購入してくれた日までの期間。
・「離脱期間」とは・・・
最後に購入してくれた日から現在日までの期間。
「在籍期間」と「離脱期間」を条件に、以下の10の顧客層に分類します。
※以下の例では、客単価を1万円前後と想定した場合です。
・「初回現役客」
在籍期間が0日で離脱期間が240日未満のお客様
・「よちよち現役客」
初回購入日からが90日未満の間に2回目を購入し、離脱期間が240日未満のお客様
・「流行現役客」
在籍期間が90日以上かつ210日未満で、離脱期間が240日未満、かつ売上累計が7万円以上のお客様
・「コツコツ現役客」
在籍期間が90日以上で、離脱期間が240日未満、かつ売上累計が7万円未満のお客様
・「優良現役客」
在籍期間が210日以上で、離脱期間が240日未満、かつ売上累計が7万円以上のお客様
・「初回離脱客」
初回購入日から240日以上何も購入していないお客様
・「よちよち離脱客」
初回購入日からが90日未満の間に2回目を購入し、離脱期間が240日以上のお客様
・「流行離脱客」
在籍期間が90日以上かつ210日未満で、離脱期間が240日以上、かつ売上累計が7万円以上のお客様
・「コツコツ離脱客」
在籍期間が90日以上で、離脱期間が240日以上、かつ売上累計が7万円未満のお客様
・「優良離脱客」
在籍期間が210日以上で、離脱期間が240日以上、かつ売上累計が7万円以上のお客様
上記の例で出てくる「7万円」についてですが、これは7回ぐらい購入してくれたお客様が優良客であるという考えから導き出されています。
初めて購入してくれた「初回現役客」が、2回目を買ってくれた時点で「よちよち現役客」となり、その後90日経過した時点で上記の例では購入累計が7万円以上の場合は「流行現役客」へ、未満であれば「コツコツ現役客」へ自動的に進みます。
また、「流行現役客」が次の購入をしたときに、「在籍期間」が210日を超え、かつ「離脱期間」が240日未満であれば「優良現役客」へと進みます。
そして、これら5つの顧客層にいる期間で、最終購入日から240日以上経っても何も買わないお客様は「現役客」から「離脱客」の客層へと移って行くことになります。
このようにして、それぞれのお客様との関係を10の顧客層のどの状態になっているかを管理していきます。
次回は、これを使って何が分かるのかを、ご説明していきたいと思います。